我原浩一は結婚して五年になる妻・香菜子と娘・菜生と三人で仲睦まじく暮らしている。家族仲も夫婦仲も良好で、仕事も順調、幸せな生活…その平凡な毎日にどこか物足りなさを感じていた。
浩一は家族ぐるみで付き合いのある近所の住人、岡野公彦から、ある相談を持ちかけられる。
「浩一君、浮気してみませんか?」公彦が浩一に持ちかけたのは、浩一の妻・香菜子と公彦の妻・幸恵の交換だった。交換といってもお互いの妻には秘密にしたまま、妻たちを誘惑して浮気させてやるのだ。
初めは真面目に取り合わなかった浩一だが、公彦に熱心に説得されるうちにその甘美な誘
...すべて読む惑に負けてしまう。笑顔で嘘の用事に出かける妻の姿。知り合いの旦那とまぐわってる妻の姿。肉欲覚めやらぬまま食事を用意する妻の姿。浩一の脳裏に愛する妻に裏切られる自分の姿が思い浮かび…その姿が平凡で幸せでこの上もなく退屈な毎日を吹き飛ばす劇薬じみた劣情を滾らせる。