前 編:
ごく普通の学園である誠京学園。ここに通う五十嵐准も、ごく普通の学生らしく恋愛の悩みに悶えていた。
ただし、その恋愛対象は一般的ではなく、親子ほども年の離れた南雲恵子先生だ。恋のライバルなどいないが、彼女の左手薬指に光る指輪がその想いを阻んでいる。そんなある日、クラス替えで隣の席になったクラスメイト・紗依との会話が准の背中を押すことになる。なんと紗依は、准が想いを寄せる恵子先生の娘で、彼女の家は母子家庭だというのだ。恵子先生は未亡人…この秘密を知った准は、すぐさま恵子先生の元へ告白に走る…。そこで准が見たものは…。
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後 編:
准が電話に出ると相手は恵子だった。「准君?あぁ…、なんで貴方なの…。そんな事されたら、私…。あの明日…、駅ビルの喫茶店で…」、それだけ言って切れる電話。准は電話のことを紗依に訊ねられるが、恵子からの電話であることを告げられず誤魔化してしまう。待ち合わせの時間も決めていなかったのに、申し合わせたかのように、同じ時間に現れる恵子と准。会えない時が無かったかのように身体を重ねる二人。恵子はもう紗依の元には戻れないと言う。恵子はすがり付こうとする准を振り払って去っていく。その姿を偶然見てしまう紗依。次の日、昨日の事を引きずり元気の無い准。紗依は准のことを気遣う振りをする。准は気の無い返事をするばかりだ。紗依はひきずるようにして准を自宅へ連れて行くのだった…。