(白き天使達の輪舞 前編)
雅樹は学校にも行かず、資産家の親の金を勝手に使い女遊びに明け暮れていた。そして、父・源五郎から勘当を言い渡されるが「一人でもいいから、自分の支配する人間を連れて来い。そうすれば、考え直してやる」と告げられる。条件は学校にきちんと通いながらで、金にものを言わせるのは禁止。現金のかわりに手渡されたのは、父・源五郎に多額の借金をしていることを示す四枚の借用書。「コレを利用すりゃ、人間の一人や二人支配するのはワケないぜ!それに・・・世の中ってのは都合よく出来てやがる。この借金の負債者の娘たちが俺様の通う学園の
...すべて読む連中ときたもんだ。そいつらを調教して俺の奴隷にしてしまえば万事解決!学校へも行く気が起きるってもんだ。・・・さて、どんな手を使うかな・・・」ヤル気満々な雅樹に、メイドの理子は「遊んでばかりいたご主人様が学校に行く気になって・・・」と的はずれな感動をしている。
(白き天使達の輪舞 後編)
すっかり日の暮れた放課後、幼なじみで次のターゲットである睦月舞と再会する雅樹。舞は雅樹をしたって“お兄ちゃん”と呼んでいる。二人で肩を並べて思い出話に花を咲かせるが、ふと雅樹はさも困ったような様子で舞に相談を持ちかける。「実は、君のお父○んの事なんだ・・・。」 「えっ?パパの?」雅樹は舞の父の借金の返済期日が過ぎていること、それを何とかして早急に返してほしいという事を告げた。返済額を知らない舞は「平気だよ!心配しないで!もしすぐ返せなくても舞がなんとかするよ!」と安請け合いしてしまう。だが、返済額は億単位。すぐに用意できる状況ではない事はメイドの理子に確認済みだった。「そうか、舞がなんとかしてくれるんだ・・・」雅樹の目は怪しく光った。翌日、ざわつく教室の中、神那瑞希の席が空いている。それに雅樹はいちべつをくれただけだった。そして放課後。キョロキョロと周りを見回す舞。雅樹がいないことを確認するとそっと帰ろうとするが、待ち構えていた雅樹につかまってしまう。